とある英雄譚のようです


書き溜めは順調に進んでおります

o川*゚ー゚)o 「あれ……? 寝ちゃってたのかな?」

晴れた空に浮かぶ雲の形は変われど、日差しの強さは変わらない。
少女は目の上に手を掲げて、目を細めて遠くの方まで望む。
延々と続く途切れることの無い褐色の大地。

目が覚める前にも見ていたはずの景色が、なぜか少し違って見えた。

o川*゚ー゚)o 「……この十字架のせいかな……?」

背もたれにしていたそれに触れても、特別な何かを感じることはなかった。

o川*゚ー゚)o 「んー、まぁいいや」

少女は五つの象徴が佇む丘を離れ、外の世界へ歩きだす。
一歩一歩、足場を確認しながら。

o川*゚ー゚)o 「何処まで続いてるのかな……」

目に映るのは三百六十度全て地平線。
空と大地の他に何もない。

o川*゚ー゚)o 「あいたっ……」

たった数十歩。彼女は目に見えない壁にぶつかって尻もちをついた。
立ち上がって自分がぶつかった何かに触れる少女。
弾力のあるそれは優しく彼女の手を跳ね返した。

o川*゚ー゚)o 「どうなってるんだろう……」

片手を壁に沿わせながら歩く。
ぴったり三十分で彼女は元の場所まで戻って来た。

o川*゚ー゚)o 「むむ……これって……囲われてる?」

立ち止まってから数分間考えて、自分の立っている場所と壁の関係をようやく理解した少女。
その小さな拳を壁に向かって振り抜くも、抑えた時よりも少々強い弾力が返ってくるだけ。
触感を確かめるかのように、二度三度繰り返す。
掌で押し、指先でなぞり、握りこぶしで叩く。

o川*゚ー゚)o 「うーん……?」

見えない壁の多様な表情。
それらを確かめるかのように何度も何度も触れる。

o川*゚ー゚)o 「……閉じ込められてる?」

周辺が完全に覆われているという事実。
心に浮かんだ疑問を口に出すが、それに応える者はいない。
自身にはどうすることもできないと理解し、少女は再び中心の骸の元へと戻って来た。

o川*゚ー゚)o 「ここは何処なんだろう……? ねぇ、あなたは知ってる?」

死体が口を開くわけもなく、少女の問いかけは空気に混じって消えた。
そんなことは気にも留めず、また別の質問をする。

o川*゚ー゚)o 「私は何でここにいるんだろう?」

地面に落ちた頭蓋骨にぽっかりと空いた二つの空洞は、遥か彼方に向けられているようにも、
目の前の大地に向けられているようにも見えた。

o川*゚ー゚)o 「あなたは誰なの?」

一陣の風が吹き抜け、少女の黒髪を大きく靡かせる。
それを押さえるようなそぶりも見せず、足元に横たわる骸骨を覗き込んだまま動かない。

o川*゚ー゚)o 「何も答えてくれないのね……でもいいの。
         別に答えが知りたいわけじゃないから。だけど……」

少女は立ち上がり、地面に突き刺さった錆びた剣の元へと歩く。

o川*゚ー゚)o 「なんでなんだろう。呼ばれてる気がするの」

無垢な少女の手が、その柄に触れた。



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